《原爆症認定集団訴訟@被爆64年》 の最新情報

広島・長崎に原爆が投下されて60年+α。今、被爆者に癌などさまざまな病気が発症しています。被爆者が「原爆症認定」を求めておこした原爆症認定集団訴訟について、弁護団から最新情報を提供します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

朝日新聞の書評でとりあげられました!~東京の集団訴訟記録集

「原爆症認定訴訟が明らかにしたこと~被爆者とともに何を勝ち取ったか」(あけび書房)

●今年5月に発刊された、原爆症認定集団訴訟の東京記録集が、昨日(7月8日、日曜日)の朝日新聞書評欄で紹介されました!! こちら

【特別価格でおわけします。記録集の販売と普及に是非ご協力をお願いします!!】

●編集委員会にお申し込みいただければ特別価格で販売できます。
下記チラシまたはメールで(件名に【注文】と明記ください)にでお申し込みください。
また、是非周りの方や、地元の図書館、学校へのお声がけをお願いします。
(4冊まで3200円/冊、5冊以上3000円/冊です。 送料はサービスです)

注文書付きのチラシ(PDF)

■ この記録集は、5つの座談会、集団訴訟に関わった専門家や医師団、さまざまな方々の手記(河村建夫官房長官(当時)ら各会派の政治家の方々、被爆者の会、支援者のみなさん、弁護団員など)、そして、集団訴訟原告・遺族の法廷での意見陳述、資料編(詳細な原告一覧表、独自の年表、判決要旨)ともりだくさんの内容です。
東京の集団訴訟の全体像を振り返ることができるものとなっています。

■ 厚労省は、現在も、被爆の実相と司法判断を無視した認定行政を続けており、東京でも本年3月末、20名が新規提訴を行い、5月に第一回期日が開かれ、8月30日(木)午後3時から第二回期日が予定されています(東京地方裁判所103法廷)。
今後とも、核兵器の廃絶と認定行政の転換、脱原発のために力をあわせていきたいと思います。
スポンサーサイト

原爆症認定集団訴訟たたかいの記録 発刊!

「原爆症認定集団訴訟たたかいの記録」が発刊されます!


アマゾンからも購入いただけます。

ここがおかしい 厚労省のウェブサイト


    厚生労働省の原爆症認定をめぐる最後の抵抗と記録集
   ~「原爆症認定集団訴訟  たたかいの記録」発行に当たって~
2011年8月3日
原爆症認定集団訴訟 弁護団  内  藤  雅  義

第1、初めに(「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」と厚生労働省のHP)

  現在「原爆症認定集団訴訟の原告に係る問題の解決のための基金に対する補助に関する法律」(原爆症基金法)の成立施行を受けて、その付則2項による「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第十一条の認定等に係る制度の在り方について」の「検討」が「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」(「原爆症認定制度検討会」あるいは「検討会」)において被爆者代表も参加して行われている。
  去る7月15日に開催された原爆症認定制度検討会の第5回会合では、日本被団協事務局長である田中煕巳委員と疾病・障害認定審査会の原爆被爆者医療分科会(「医療分科会」)元委員である草間朋子委員及び厚生労働省の事務局との間で、原爆症認定に用いられているDS86ないしDS02において、残留放射線の評価をめぐって議論がなされた。
  田中委員は、裁判結果にも係わらず、被爆者医療分科会では誘導放射線ないし放射性降下物という残留放射線(従って当然に内部被曝も)を殆ど無視ないし軽視していると主張した。これにに対し、草間元委員及び事務局はDS86及びDS02は、残留放射線を考慮しているとの発言をした。
  更に加えて 最近になって更新追加された厚生労働省の原爆症認定に関するHP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/genbaku09/15e.html)によると、原爆における残留放射線は、無視できる程度の線量であり、否定の根拠が非常に科学的であるかのような記載がされてる。そして、このホームページの冒頭には、全国民が戦争被害を受けたのに、被爆者だけが特別の援護施策されているのは、原爆には原爆特有の「放射線」があったからであり、被爆者には健康管理手当などもあるから、原爆症認定については、「原爆放射線症」のみが対象であり、放射線起因性を外してしまうと原爆被爆者が一般戦災者よりも特別に援護する理由がなくなってしまうと述べられてる。
  しかし、これら残留放射線の過小評価や無視、その科学性をめぐる厚生労働省の主張、更には放射線影響の範囲を他の要因から峻別する考えは、いずれも原爆症認定訴訟で大きく争われ、最終的に裁判所から批判を受けてきたものである。それにもかかわらず、未だに厚生労働省がこのような主張を強調していることは、正直驚きである。本来検討会で検討されるべきことは、裁判所の判断を受けて司法と行政の乖離をなくすことであった筈であるが、検討会における議論、そしてHPの記載をみると、厚生労働省にはその乖離をなくすつもりがないと感じざるを得ない。
  今回、「原爆症認定集団訴訟ーたたかいの記録」が発刊されるに当たり、上記検討会における田中委員と被爆者医療分科会委員及び厚生労働省事務方との間での議論となり、また、厚生労働省のHPにおいて、強調されているDS86及びDS02の問題、そして、原爆症認定における他の要因との共同ないし複合の問題について批判を行うこととする。

【“ここがおかしい 厚労省のウェブサイト”の続きを読む】

Q&A  東京三次訴訟判決のポイント

      判決日:2011年7月5日
原爆症認定集団東京訴訟(3次) 東京地裁判決のポイント

原爆症認定集団訴訟東京弁護団事務局長 中川 重徳

Q1. 今回の判決の意義

厚労省が認定を拒んでいた未認定原告16名中12名について、国の却下処分が違法と判断され取り消された。現在の認定審査の在り方が、裁判所による被爆者援護法の解釈と乖離し、司法により容認されないものであることがはっきりした。

Q2. どのような原告が勝訴(国の処分の取消)したのか

勝訴した12名の申請疾病は下記のとおり(1名は二疾病で申請)。

脳梗塞 5名
心筋梗塞・狭心症 4名
ガン 1名
胸部大動脈瘤 1名
肝機能障害 1名
甲状腺機能亢進症 1名

Q3. 現行の認定行政との対比で注目される点

1 疾病論
(1)心筋梗塞、肝機能障害
これらの疾病は積極認定対象疾病であるにもかかわらず、現在の審査では近距離(1km台)しか認められず、入市被爆者については全件却下しているものと思われる。判決は、以下のとおり、2km以遠、入市者を含めて認めた。
心筋梗塞・狭心症 2.4km、2.0km、2.0km、1.5km
肝機能障害 2日後入市
(2)脳梗塞、胸部大動脈瘤
現在の実務では、脳梗塞は全件が却下されているものと思われるが、判決は、以下のとおり、3km台や入市被爆者を含めて広く認め、胸部大動脈瘤についても放射線起因性を認めた。
脳梗塞 2.4km、1.5km、3日後入市、3.5km、2.5km
胸部大動脈瘤 1名(2.3km)
(3)甲状腺機能亢進症についても、改めて放射線起因性を肯定し、4km被爆の原告が認容された。

2 放射線の放射の実態等
残留放射線による多様・複合的な被ばくの可能性・危険性について、十分留意すべきことが指摘され、判決は、各原告の起因性の判断にあたって、距離や入市時期だけに偏ることなく、多面的・複合的に被ばくの可能性を詳細に検討している。

3 事実認定
入市時期等の事実認定について、原告(被爆者)の述べるところを尊重して判断している(手帳上8/18入市とされている者について8/10入市と認定)。

Q4.なぜ裁判所は厚労省と異なる判断を下すのか。
(1)正しい起因性判断のあり方
被爆者援護法上の「放射線起因性」については、「高度の蓋然性」を意味することに争いは無い。問題は、その内実である。
しかし、第1に、「高度の蓋然性」は、「一点の疑義も許されない自然科学的証明ではない」。さらに、判決は、同じ「高度の蓋然性」と言っても、要求される証明の程度は、証明の対象とされることがらや関係する知見の「内容、性格等に応じて判断されるべき」とする(280頁。要旨4頁以下)。
(2)考慮すべき「内容、性格等」
①援護法の趣旨・目的 「国家補償的配慮をも制度の根底にすえて、被爆者の置かれている特別の健康状態に着目してこれを救済するという人道目的の下に制定された」
⇒この目的及び趣旨を損なうことのないように起因性の判断を行わなければならない。
②制定の時点で放射性の影響と加齢が競合して健康状態が悪化していることが前提となっていること(要旨4頁)
⇒単に申請疾病が「加齢により広く発症する疾病である」というだけで放射線起因性を否定してはいけない。
③原爆放射線の人体影響に関する知見の「内容、性格等の特殊性」(要旨4~7頁)として、
・原爆は、「日常の生活環境・市街地」に投下された唯一の例であり、多種・多様・複合的な被ばくが生じたが、現実の爆発の正確な状況、原爆放射線の放射の実態等の情報は「限定的・断片的」である。
・放射線の人体影響は、主として疫学的手法によらざるをえないが、放影研の疫学調査は、貴重なものであるが、「超過リスクが現れにくい」ため、リスクが見かけ上低下するおそれが指摘されている。要旨6頁(7),本文287頁
・「急性症状の評価、残留放射線、内部被爆の影響については専門家の見解が別れ・・研究は継続されているが、「将来それが更に進展して解明が進めば、従前疑問とされてきたものが裏付けられる可能性もあり、それが小さいと談ずべき根拠は直ちには見当たらない」要旨6頁(8),本文287頁
等が指摘される。その結果、「原爆放射線が人体に及ぼす影響については・・・全体として、これを過小に評価する結果に傾きがちとなることを容易には否定することができない」とされる(判決287頁、要旨7頁)
(3)起因性判断にあたっては、上記のような「特殊性にも留意しつつ、援護法がその制定の基礎としたところをふまえ、その目的及び趣旨を損なうことのないように、原爆放射線の放射の実態及びその人体への影響につき十全に把握し考慮すべく、経験則に照らして全証拠を十分慎重に総合検討することが必要とされる」として、被爆の程度を論じる際も、疾病の放射線起因性を論じる際も、「それに沿う相応の研究の成果が存在している」場合には全証拠を十全に検討するという姿勢が強調される。事実認定についても、被爆者の供述を、「原爆被害を身をもって体験した者によるいわば第一次的な証拠の一種として」「その重要性」に留意すべきことが述べられている。
(4)このような姿勢は、集団訴訟におけるこれまでの多数の判決に共通するものである。
   2009年5月28日の東京高裁判決も、「科学的知見の通説に対して異説がある場合」について、「通説的知見がどの程度の確かさであるのかを見極め、両説ある場合においては両説あるものとして訴訟手続の前提とせざるを得ない」(205頁)と判示し、ある疾病についてP値が大きいがために有意な増加と言えない場合についても、これをまったく無視すべきではなく、「一定水準にある学問的成果として肯認されたものについてはあるがままの学的状況を科学の到達点(水準)として」法律判断の前提資料として採用することは否定されるべきではない」と判示す少し大きい文字る(同181頁)。そのような場合に、当該疾病を発症させる中間因子ないし背景疾患について放射線との関連がある場合にはそこに着目して起因性を認めるという手法も司法によって確立された法解釈の手法となっている(呼吸器疾患全体と肺気腫,副甲状腺機能亢進症と膵炎,消化器障害と十二指腸潰瘍等)。

Q5 裁判所はどの程度の証拠を見て判断しているのか
集団訴訟は、2003年以来、全国の裁判所で審理が行われ、原告側はもちろんですが、国側も、内外の膨大な専門文献、意見書を提出し、さらには個々の原告の診療録や検査結果資料も取り寄せ、全力をつくして主張・立証を行ってきました。裁判所は、それらを含めた全証拠を文字どおり総合的に検討した結果として、法律判断として、国の却下処分を違法として取り消しているのです。

Q6 敗訴した原告はどのような原告か
比較的遠距離であったり入市の遅い4名が敗訴していますが、そのうち3名は、高齢(認知症等)により尋問ができなかったという事情もあり、距離や入市時期で当然に敗訴したわけではないことに留意いただきたい。

東京三次訴訟判決言い渡し 今も続く異常な認定実務を断罪

2011年7月5日
原爆症認定集団東京訴訟(3次) 東京地裁判決についての声明

原爆症認定集団訴訟東京原告団
原爆症認定集団訴訟東京弁護団
原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
原爆裁判の勝利をめざす東京の会(東京おりづるネット)
原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

1 本日、東京地方裁判所民事3部(八木一洋裁判長)は、原爆症認定集団訴訟東京第3次訴訟に関し、未認定原告16名のうち4名を除いて、却下処分を取り消す勝訴判決を言い渡した。

2 本日の東京地裁判決は、被爆者援護法が「実質的には国家補償的配慮をも制度の根底にすえて」いると判示し、加えて、被爆者の高齢化という事実にも着目し、被ばくによる健康被害と高齢化による健康状態の低下が競合する状況であることを前提として「同法の目的及び趣旨を損なうことのないように」認定制度を運用すべきとした。
 そして、疾病論につき、「訴訟における原爆放射線起因性の証明の有無の判断の際には」、原爆被害の未解明性と科学の限界を指摘した上で、「原爆放射線の影響が及んでいると疑われ、それに沿う相応の研究の成果が存在している疾病については」積極的に認定すべきとして、積極認定疾病であるがん(1名)、心筋梗塞(2名)、肝機能障害(C型)(1名)はもちろん、集団訴訟の各判決が認めてきた脳梗塞(5名)、狭心症(2名)、甲状腺機能亢進症(1名)に加え、集団訴訟で初めて、胸部大動脈瘤(1名)についても放射線起因性を認めた(1名は疾病が重複している)。
 被爆態様についても、国が「低線量域については放射線起因性を裏付ける知見が無い」として争った心筋梗塞について広く認容し、狭心症、脳梗塞についても、近距離に限定することなく放射線起因性を認めた点は高く評価できる。
 また、国が、喫煙、飲酒さらに高血圧、高脂血症、加齢、食生活等ありとあらゆる他原因の存在をことあげして放射線起因性を争ったのに対し、かかるリスク要因のみで切り捨てることなく、総合評価が必要であるとして国の主張を退けた点は大きな前進である。
 さらに、被爆者の証言に変遷があるとの国の反論について、当時の差別偏見から正直に事実を述べられないという被爆者の心情に配慮して、その変遷を問題にしなかった。
  ただし、残念ながら4名の原告については訴えが棄却されたが、被爆者援護法の趣旨に照らしてもまったく誤った解釈というほかなく、極めて遺憾である。

3 2003年に全国の被爆者が提起した原爆症認定集団訴訟においては、被爆者切り捨ての認定行政を断罪する判決が積み重ねられ、2008年3月、原因確率を廃して「より被爆者救済の立場に立ち」「被爆の実態に一層即したものとする」として「新しい審査の方針」が策定された。さらに、2009年8月6日には、麻生太郎首相(当時)と日本被団協の間で「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」が締結され、一連の司法判断を国として厳粛に受け止め陳謝し、一人でも多くの被爆者が迅速に認定されるよう努力する旨の内閣官房長官談話が発せられた。
しかし、昨年厚労省が公表した資料によれば、「新しい審査の方針」のもとで積極認定の対象とされている疾病でさえしきい値による切り捨てが行われ、非がん疾患については却下を原則とするかのような異常な運用が行われている。
本日の東京地裁の判決は、司法判断を無視し、確認書と内閣官房長官談話をも無視する国・厚生労働省の姿勢を厳しく断罪するものである。国は直ちに審査基準の再度の改訂を行い、さらに援護法の改正を急がなければならない。

4 本日の判決は、東京の原爆症認定集団訴訟最後の判決である。2003年以来、東京の原告と被爆者は、命をかけて被爆の実相を明らかにし、認定制度の抜本的改訂を目指してたたかってきた。それは、ひとえに、自らの体験を語り核兵器の残虐性を告発することが「ふたたびヒロシマ・ナガサキをつくらせない」ことにつながるとの想いからであった。
  私たちは、この集団訴訟の成果を生かして、国家補償の確立と核兵器の廃絶を目指して、今後も被爆者とともに闘う所存である
 以 上

被団協、原告団、弁護団の声明

2009年8月6日
日本原水爆被害者団体協議会
原爆症認定集団訴訟全国原告団
原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会

「原爆症認定集団訴訟の終結に関する
  基本方針に係る確認書」の調印を終えて

1 本日、国は、熊本地裁判決について控訴を断念したうえで、一審勝訴判決に
したがい原告の原爆症認定を行うこと、原告に係る問題の解決のために基金を
設けること、さらに残された問題の解決を図るために厚生労働大臣との定期協
議の場を設けること等、原爆症認定集団訴訟の一括解決を決断し、「原爆症認
定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」の調印を日本被団協と行い
ました。私たちは今回の麻生総理の決断を心から歓迎します。
  
2 1945年8月6日、9日、広島市と長崎市に、アメリカ軍が投下した原子爆弾は、広島では14万人、長崎では7万人の市民を殺戮し、二つの町を一瞬にして壊滅させました。
生き残った被爆者にも、がんをはじめ様々な病気が発症し、死の恐怖に怯えながら現在まで苦しみ続けています。
  しかし、国は、明らかに放射線に関連するこれらの病気について、2003年提訴当時の被爆者約27万人のうち約2200人(0.81%)しか原爆症と認定しませんでした。
  戦後60年を経て、被爆者は「死ぬ前になんとしても原爆被害の残酷な実態を告発したい」との思いで、2003年4月、札幌、名古屋、長崎から原爆症認定集団訴訟を始め、鹿児島にいたるまで全国17の地方裁判所に広げました。
被爆者・原告は、裁判で自分のプライバシーをすべてさらけ出して、この60年間の病気と、生活の苦しみと、心の悩みを裁判所に訴えたのです。
裁判の中では、国が、放射線の被害について、原爆が爆発したときの直爆放射線しか見ておらず、残留放射線や放射性降下物さらに内部被爆を無視して、原爆被害を軽く、狭く、小さな被害として描こうとしていることが明らかになりました。

3 私たちは、2006年5月の大阪地裁での9名の原告全員勝訴に続き、現在まで,二つずつの東京高裁,大阪高裁判決,一つの仙台高裁判決を含む19の裁判所において連続して勝訴してきました。
  日本被団協と原爆症認定集団訴訟を支援し核兵器の廃絶を願う市民は、国に対し、原爆症認定集団訴訟の早期の一括解決と、審査の方針(原爆症の認定基準)の被爆実態に見合った抜本的な改訂を求めてきました。その結果、二度にわたる認定基準の改訂を勝ち取ってきました。
そして、今回の確認書の調印により、訴訟の早期一括解決、被爆実態に見合った認定行政への転換に道筋をつけることができました。

4 バラク・オバマアメリカ大統領は、本年4月5日にプラハでの演説において、核兵器を使用した唯一の核保有国として、アメリカは行動すべき道義的な責任があるとしたうえで、「核兵器なき世界への共同行動」を呼びかけています。私たちもこの集団訴訟の成果を、核兵器の廃絶に向けた大切な財産としたいと考えています。特に、この核兵器の廃絶の流れの中で、官房長官談話において「唯一の被爆国として、原子爆弾の惨禍が再び繰り返されることのないよう、核兵器の廃絶に向けて主導的役割を果たし、恒久平和の実現を世界に訴え続けていく決意を表明」したことを高く評価します。

5 今回の成果は私たち原告団だけのものではなく、現在生存している23万余の全国の被爆者に共通のものであり、核兵器なき世界を求めて連帯してたたかっている全国の人びと、世界の人びとが共に喜び合えるものと確信します。
  しかし、まだ解決しなくてはならない多くの課題が残されています。私たちはそれらを解決するため、みなさんとともに力を尽くすものです。今後ともご支援をよろしくお願いします。
         

以 上

官房長官が陳謝と核廃絶への決意を表明

河村官房長官は、8月6日、確認書の締結に際して、19度にわたり被爆者切り捨てを違法とする判決を受けたことについて陳謝し、一人でも多くの迅速な認定、核兵器廃絶に向けて主導的役割を果たす決意を表明する談話を発表しました。

--------------------------------------------------------

原爆症認定を巡る集団訴訟では、8月3日の熊本地裁判決を含め、19度にわたって国の原爆症認定行政について厳しい司法判断が示されたことについて、国としてはこれを厳粛に受け止め、この間、裁判が長期化し、被爆者の高齢化、病気の深刻化などによる被爆者の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみや、集団訴訟に込められた原告の皆さんの心情に思いを致して、これを陳謝する。

 この視点を踏まえ、このたび集団訴訟の早期解決を図るように決した。政府としては、これまで拡大してきた原爆症の認定基準に基づいて、現在待っておられる被爆者の方々が一人でも多く迅速に認定されるよう努力するとともに、唯一の被爆国として原子爆弾の惨禍が再び繰り返されることのないように、核兵器の廃絶にむけて主導的役割を果たし、恒久平和の実現を世界に向けて訴え続けていく決意を表明する。

集団訴訟全面解決へ向けた確認書に被団協と麻生首相が調印

8月6日、政府が原爆症認定集団訴訟の全面解決を決断し、被爆者側との確認書が締結されました。

-------------------------------------------------------------------
原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書

1 1審判決を尊重し、1審で勝訴した原告については控訴せず当該判決を確定させる。
熊本地裁判決(8月3日判決)について控訴しない。
このような状況変化を踏まえ、1審で勝訴した原告に係る控訴を取り下げる。

2 係争中の原告については1審判決を待つ。

3 議員立法により基金を設け、原告に係る問題の解決のために活用する。

4 厚生労働大臣と被団協・原告団・弁護団は、定期協議の場を設け、今後、訴訟の場で争う必要のないよう、この定期協議の場を通じて解決を図る。

5 原告団はこれをもって集団訴訟を終結させる。

以上、確認する。

平成21年8月6日

日本原水爆被害者団体協議会
  
  代表委員   坪  井     直
  
  事務局長   田  中  熙  巳

内 閣 総 理 大 臣
自由民主党総裁  麻  生  太  郎

原爆忌を控え、原爆症認定問題の抜本解決を求め、被爆者らが厚労省前に集まりました

「5月の高裁判決をタイムリミットとして原爆症認定訴訟の全面解 決を行なう」と約束した政府。しかし、厚労省の頑強な抵抗に遭い 、高裁判決から2か月を経過し、原爆忌を間近に控えた現在も解決 に至っていません。一日も早い原爆症認定問題の全面解決を求めて 、2009年7月27日、原告・被爆者らが厚生労働省前に集まりました。
YouTubeの再生リスト


合わせて、7月16日に行なわれた院内集会の模様もお送りします

【“原爆忌を控え、原爆症認定問題の抜本解決を求め、被爆者らが厚労省前に集まりました”の続きを読む】

6月22日の被爆者医療分科会の決定について (声明)

2009年6月22日
                      原爆症認定集団訴訟全国原告団
                        日本原水爆被害者団体協議会 
                 原爆症認定集団訴訟・全国弁護団連絡会

声  明

 ~慢性肝炎・肝硬変、甲状腺機能低下症を「積極認定」の範囲に入れるとした本日の医療分科会の結論について~

 本日、疾病・障害認定審査会 原子爆弾被爆者医療分科会において、原爆症認定基準である「新しい審査の方針」が改定され、慢性肝炎・肝硬変及び甲状腺機能低下症が、積極的に認定する範囲の疾病として追加されることになった。

これらの疾病が積極的認定に入れられたことは、これまでの判決の経過からして当然のことであり、私たちが求めてきた基準の改訂の第一歩である。

しかし、われわれは、これらの疾病に「放射線起因性が認められる」という条件がつけられていることに抗議するとともに、この条件を直ちに削除することを強く求めるものである。

 2008年4月から実施されている「新しい審査の方針」で、白内障には「放射線白内障(加齢性白内障を除く)」、心筋梗塞にも「放射線起因性が認められる心筋梗塞」という条件が付けられているため、これら両疾病の「原爆症認定」が大幅に制限され、かつ遅れているという実態がある。

 昨年度の認定状況をみると、白内障・心筋梗塞は,答申件数101件に対して「認定」はわずかに44件,つまり数ばかりでなく認定率も50%を下回っており、肝炎・肝硬変、甲状腺機能低下症においても,これと同様の認定が行われる危惧が大きい。

 私たちは、国・厚生労働省が、国家補償的措置の立場から、原爆症認定集団訴訟で勝訴している肝機能障害、甲状腺機能低下症の原告を直ちに原爆症と認定するとともに、未判決・未認定の原告についても、直ちに認定することを要求するものである。
次のページ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。