《原爆症認定集団訴訟@被爆64年》 の最新情報

広島・長崎に原爆が投下されて60年+α。今、被爆者に癌などさまざまな病気が発症しています。被爆者が「原爆症認定」を求めておこした原爆症認定集団訴訟について、弁護団から最新情報を提供します。

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原爆症認定集団訴訟・近畿の公判傍聴日誌-7

2004年6月23日(水)・大阪地裁

 原爆症認定集団訴訟・近畿の第7回口頭弁論は、6月23日午前11時から大阪地裁202号法廷(本館2階)で開かれた。この日も被爆者原告のうち4人が出廷、傍聴席にも近畿各地からの被爆者の姿があった。
 最初に、廷内を暗くし、1998年8月6日夜、放映されたNHKスペシャル「原爆投下・10秒の衝撃」のビデオ(時間は若干短縮)が上映された。
 第一段階。0秒―100万分の1秒。原爆が炸裂する以前に、すでに爆弾から出た放射線(中性子)が爆心地を襲い、市民の命を奪いつつあった。第二段階。100万分の1秒―3秒。原爆の炸裂と巨大な火球の出現。熱線と衝撃波の恐ろしさ。第三段階。3秒―10秒。衝撃波が街を飲み込んでいく…。「ピカドン」の瞬間に人々が体験したものは何だったかを、日米科学者らの研究成果や被爆者の証言をもとにコンピューター・グラフィックを駆使して再現したドキュメンタリー番組。原爆被害のメカニズムを裁判官らに噛み砕いて理解してもらう手段の一つとして、原告弁護団が証拠提出していたものだった。
 弁論では、原告側が前回公判で申請した3人(肥田舜太郎、安斎育郎、沢田昭二の各氏)の証人調べについて被告側が消極的な意見を述べている件で、原告弁護団の尾藤廣喜、三重利典の両弁護士が陳述に立ち、この訴訟の核心ともいえる低線量被爆者、入市被爆者の問題や国の原爆症認定審査基準のからくりを解明する上で欠かせない人たちだ、と採用を訴えた。
 また、舟木浩弁護士は、この日提出した第5準備書面の要旨を述べた。とくに、被国側が、線量評価システムとしてのDS86の見直し作業を行った結果、新たに策定された線量推定方式・DS02には科学的合理性があると強調している点について、▼被告のいうDS02はいまだ公表すらされておらず、根拠もはっきりしない▼DS02の作成過程自体がDS86を修正せざるを得なかったことの証左であり、推定に推定を重ねた非科学的なものだ―と指摘した。
 一方、被告側は第6準備書面を提出。被告側証人として、小佐古敏荘(こさこ・としそう)東大原子力研究総合センター助教授を申請した。同氏は長崎原爆訴訟の福岡高裁控訴審などでDS86の推定方式を擁護する証言を行った人である。
 正午すぎ、閉廷。次回公判は9月3日(金)で、終日行われる。午前は11時―正午。午後は1時半―4時半。初の証人調べになる予定。

 大阪弁護士会館で、午後0時15分から報告集会があった。藤原精吾・弁護団長は証人調べについて、「基本的なことはわれわれが申請している3人で立証できるが、原告個々にはさらなる立証も必要になるだろう。追加原告も検討中だ」と語った。
 支援グループ代表からは、公正な判断を大阪地裁に要請する署名を、大阪、兵庫、京都合わせて2169筆分、前日提出したと報告があった。これで署名総数は1万を突破し、11355筆になった。
 支援ネットの動きも活発化してきており、3月13日に一足早く「原爆訴訟を支援する映画と交流のつどい」を開いた京都に続いて、7月21日(水)には、「原爆訴訟を支援する大阪の会結成1周年のつどい」が、午後6時から大阪府社会福祉会館(大阪市中央区谷町7丁目)で開催される。本訴訟第4回公判でも上映された、1982年に広島、長崎両市が企画、岩波映画製作所が製作した46分のビデオ「ヒロシマ・ナガサキ―核戦争のもたらすもの」の上映や、弁護団からの報告、原告あいさつなどがある。兵庫の支援ネットも9月上旬につどいを計画中だ。

 5月7日の前回公判から今回公判までの約1ヶ月半の間に起こった出来事をあらためて確認しておきたい。小泉首相は6月8日(日本時間9日未明)、米ジョージア州シーアイランドでブッシュ米大統領と会談し、国連安保理のイラク新決議を受けて編成される多国籍軍への自衛隊の参加を事実上表明した。これは従来の政府見解に照らしても違憲である。それを、国権の最高機関である国会にすらひとこともはからずに約束してしまった。6月14日、国民保護法など有事関連7法案が、参院本会議で、政府与党の自民、公明両党に加え野党の民主党まで賛成して成立した。これは米軍が海外で引き起こす戦争に自衛隊を参戦させ、自治体や民間企業、国民まで総動員することにつながる違憲立法である。
 音を立てて突き進む「戦争国家」体制への道が、為政者の人権感覚をどれほどマヒさせていくかを象徴的に表したのが、5月13日、日本被団協が抗議声明を出した、石破茂・防衛庁長官の衆院特別委員会での発言である。石破長官は、米核抑止力依存政策、ミサイル防衛システムの必要性を強調するなかで、「あの広島においても、あの長崎においても、爆心地の近くでありながら落命をされずに生き残った方がたくさんおられる。ではどういう状況であれば核攻撃を万々が一受けても被害が局限できるかということは、私ども、同時に考えていかねばならないでしょう」などと述べたのである。
被団協の抗議声明は「ここには、あの劫火の中で助け出されるすべもなく生きながら焼かれた無数の死者たちへの思いはまったく見られない」「絶滅兵器としての核兵器の本質を覆い隠し、核兵器が『使える』兵器であるかのような幻想を与えるきわめて危険な思想」だと糾弾した(声明全文は本ホームページ別掲)。この石破発言は4月22日の委員会でのものだ。表面化するのに1ヶ月近くかかっている。メディアの権力に対するウオッチドッグ(番犬)機能の衰弱が、ここにも現れている。
原爆症訴訟は、どうあっても負けられない裁判になってきた。
以上
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