《原爆症認定集団訴訟@被爆64年》 の最新情報

広島・長崎に原爆が投下されて60年+α。今、被爆者に癌などさまざまな病気が発症しています。被爆者が「原爆症認定」を求めておこした原爆症認定集団訴訟について、弁護団から最新情報を提供します。

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国側・児玉和紀氏証人尋問(東京地裁)>澤田昭二氏の感想

東京地裁の原爆症認定訴訟で、国側証人児玉和紀氏の尋問を傍聴しました。児玉氏は、現在の原爆症認定審査をする分科会が「原因確率」を採用したときの中心人物で、「原因確率」の基礎になった「児玉論文」の著者ですから、原爆症認定方針の不当性を明らかにする重要な公判でした。

傍聴して、一番強く感じたことは、放射線影響研究所(元ABCC)で被爆者の疾病の原爆放射線による影響を統計学的に明らかにする疫学の疫学部長を勤めている人物が、被爆実態を事実に基づいて明らかにしようとする科学者としての姿勢に欠けていることでした。松谷英子さんの最高裁判決で、初期放射線だけによる厚生省の原爆症認定基準が被爆実態に合わないと判断しているのに、これにまったく無関心でした。判決で認められている、初期放射線がほとんど到達しない遠距離被爆者の中に脱毛や紫斑などの急性放射線症状が起こっている事実を示しても、根拠もなしに放射線以外の可能性もありうると、あいまいな証言に終始しました。その他、原爆被害を研究する立場にありながら、原爆災害の全体像を知ることにはほとんど無関心でした。
その一方で、多額の厚生労働省研究助成金を受けて書いた「児玉論文」の「原因確率」表(同じ表が原爆症認定の方針にそのまま採用されています)は、下請けに出して作らせたために、その計算方法を聞かれてもほとんど答えられませんでした。疫学の専門家であれば大学の医学部で統計学の講義を担当するのが普通であるのに、児玉氏は統計学をあまり知らないのでと証言逃れをする有様でした。「原因確率」算出に至る回帰分析などの質問を折角準備した弁護団は、児玉氏の予想以上の不勉強ぶりに肩すかしを食ったようでした。
認定審査をする分科会の委員が、厚生労働省の役人が出した認定申請した被爆者の被曝線量をチェックもせず、また前の委員会の配布文書に書かれていた項目が、裁判対策で厚生労働省の役人によって勝手に議論なしに削除されても気づかないという、分科会のズサンな審査の実態も明らかになりました。
厚生労働大臣は、放射線の人体影響は科学的に明らかになっているとして、「あなたの疾病は原爆放射線の影響ではない」と断定して認定審査を却下してきたにもかかわらず、児玉証人は、「可能性がある」「まだよくわからない」を連発しました。その結果、放射線影響のメカニズムには、なお多くの未解明の問題が残されていることを児玉証人の口から明らかにできたことは大きな成果でした。
原爆症認定集団訴訟を取組む中で、被爆者手帳を持っている被爆者はみんな、放射性降下物などの残留放射線の内部被曝の影響を体内に残しており、それががんやその他の障害として発症する可能性を持っていることが明らかになりました。この意味で被爆者は病気になる前に健康管理に注意をしなくてはなりません。健康管理手当はこの趣旨の手当にして被爆者全員に支給し、病気になった場合には、その病気と被爆者の実情に合った特別手当を支給する被爆者行政が必要です。そのために、被爆者は健康に留意して頑張りましょう。
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