《原爆症認定集団訴訟@被爆64年》 の最新情報

広島・長崎に原爆が投下されて60年+α。今、被爆者に癌などさまざまな病気が発症しています。被爆者が「原爆症認定」を求めておこした原爆症認定集団訴訟について、弁護団から最新情報を提供します。

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Q4 裁判ではどのようなことが明かになりましたか?

●現実を説明できないDS86 

●一見「科学的」、実は科学と無縁の「原因確率」

厚労省の原因確率

●遠距離被爆者・入市被爆者の病気がなぜ原爆症と言えるわけ(低線量被曝・体内被曝の危険性)
●最近の放影研の研究によっても、放射線がひきおこす病気はがんや白血病だけではないことが明らかに
●現実を説明できないDS86 
「DS86」は、爆心地からの距離に応じた放射線量を大型コンピューターによって推計した日米合同研究の報告です。厚労省の原爆症認定や、原因確率の根拠となっているABCC/放影研の疫学調査では、このDS86が前提として使われています。

DS86は、従来から、現実の測定値との不一致が問題となっており、特に遠距離では大幅に過小評価となっています。すなわち、DS86によれば、爆心地から概ね2キロ以遠には、ほとんど放射線が到達しなかったことになっています。しかし、そのような距離で被曝した人や原爆投下後入市した人たちにも、脱毛などの急性症状や健康被害が広く見られ、日米合同調査団や厚生労働省ほか専門家の調査で繰り返し確認されています。

 集団訴訟でも、救援のため入市した三次高等女学校(広島)の生徒にがんや白血病が多発した事例などDS86では説明できない事実が多数明らかにされました。
 松谷訴訟の最高裁判決は「DS86もなお未解明な部分を含む推定値」「事実を十分に説明できない」と指摘し、集団訴訟で国側証人は「DS86の改訂版であるDS02も、爆心地から1400メートル以遠の被爆線量については使いものにならない」旨証言しました。本来、原爆の人体影響は、初期放射線だけではなく、残留放射線や内部被曝を考慮しなければ説明できません。ところが、「DS86」の元となる研究は、原爆の有用性を示すことが目的であったため、直接的殺傷力を示す初期放射線のみを重視し、自軍兵士が被爆する可能性や国際法違反の問題につながる残留放射線などは意図的に軽視されたのです。
  
●「原因確率」とはなんですか? 
 厚生労働省は、被爆者の疾病が放射線に起因する確率を「原因確率」という数値で示すことができると主張します。厚労省の主張では、放影研の疫学調査をもとに、病気ごとに被爆者の死亡率と非・被爆者の死亡率を比較し(一部の病気のみ罹患率を用いる)、「寄与リスク」という疫学上の指標を求めることによって、その寄与リスクの数値がそのまま「原因確率」になると主張します。原爆症認定申請に対する審査のために、病気の種類や被曝線量、被爆時年齢ごとの一覧表が作成され、これが認定審査の決め手となっています。。

 厚労省の主張する「原因確率」は妥当な手法なのでしょうか?
 厚労省の主張する原因確率の考え方には、二重三重の重大な欠陥があり、放射線起因性が過小評価される仕組みになっています。

  第1に、放影研の疫学調査では、調査対象者の被曝線量を評価する際に、DS86を用いて初期放射線しか考慮していないため、対象者が遠距離・入市被爆者の場合、どんなに残留放射線や内部被曝の影響を受け、被爆者健康手帳を持っていても「非・被爆者」として扱われます。その結果、統計上は、「非・被爆者」の死亡率等が実際より大きくなり、寄与リスクの値は小さくなるので、「原因確率」も低くなっています。
 熊本では、真実の非・被爆者を実際に調査し、厚生労働省の「原因確率」が不当に低い値であることが証明されました。

  第2に、集団と集団の死亡率等を比較しても、集団が全体としてその要因によって受けた影響を表すことはできますが、個々人の疾病の放射線起因性を判断することはできません。
 すなわち、ある病気について、非・被爆者集団の発症者が90人、被爆者集団の発症者が100人だったという場合、厚労省の「原因確率論」では、「非・被爆者でも90人発症しているから被爆者で病気になった100人のうち放射線が影響したのは100人中10人だけだ」と考えます。そうすると、一人一人の発症者についての原因確率は100分の10であるということになります。
 しかし、この考えは、間違っています。被爆者集団の100人は全員が放射線被曝をしており、100人が100人とも放射線のために発症の時期が早まったり、疾病の進行が促進されている場合が十分にありうる。その場合には、「非・被爆者でも90人発症しているから被爆者で病気になった100人のうち放射線が影響したのは100人中10人だけだ」とは言えないはずであって、「寄与リスク」によって個々の被爆者の疾病が放射線に起因する確率を表すことができる、というのはまったく根拠が無いのです。

疫学・統計学の専門家から「原因確率論」は「疫学の誤用」「根本的な誤解」と厳しく批判されています。

厚労省の原因確率

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